水虫薬の選び方

水虫薬のはじまり

水虫の外用薬は、イミダゾール系と呼ばれる抗真菌剤が市場に登場する以前と以後とに大きく分けることができます。
◎イミダゾール系以前の抗真菌剤として広く使用されたのはヨードチンキやサリチル酸など。抗真菌力は低くても刺激は強く、皮膚の角質を溶かす作用をもちます。
◎1970年代なかばに登場したイミダゾール系と呼ばれる抗真菌剤は、白癬菌に対する抗真菌力が高いばかりでなく、ほかの菌への作用範囲も広く、副作用も少ないものとして一時代を制しました。

外用薬

●水虫原因菌の生菌率(in vitro)
下記グラフは殺菌効果の現れる早さ示したもの

出典:薬学雑誌 111(2):126-137(1991)
Antimicrob.Agents Chemother.,34(11):2250-2253(1990)

●殺真菌活性(in vitro)
殺菌効果をあらわすまでの期間について示したもの

出典:薬学雑誌111(2):126-137(1991)

●投与後1日経過しても、角質層への高い貯留性が認められます
モルモットに塩酸ブテナフィン液2mg/匹を経皮投与したところ、角質層を含む300μm以内に50μg/g以上の極めて高い分布がみられました。また1000~2500μmにかけての濃度では極めて低いことから、角質層への高い貯留性が認められました。

出典:Antimicrob.Agents Chemother.,34(11):2250-2253(1990)

●優れた貯留性、持続性で再発を予防します
モルモット背部白癬において、1%塩酸ブテナフィンはモルモット背部への24、48時間前塗布で感染を阻止しました。

出典:Antimicrob.Agents Chemother.,34(11):2250-2253(1990)

内服薬

内服薬は医師の処方によってのみ用います。外用薬で治療してもなかなか治らない場合や症状を悪化させたくない、などの場合に薬効が長く患部に留まる内服薬が有効な場合があります。

●イトラコナゾール
イトラコナゾールは、真菌の細胞膜の合成を妨げます。他薬剤との併用に気をつける必要があり、定期的な肝機能、血液機能検査をするなど、十分な医師の指導のもとに用います。

●テルビナフィン
テルビナフィンは、真菌の細胞膜の合成を妨ぎ、他薬剤との併用での相互作用は少ないものの、「イトラコナゾール」と同様に十分な医師の指導のもとに用います。